テレビでは、髪の長い綺麗な女優のCMが流れていた。
なにやら、シャンプーのCMなのか・・・盛んに美しい髪の映像が流れている。
「はぁ・・・」
どっすっとベッドに横たわる修平。そのまま天井を眺めていた。
四位修平。都立の中学に通う14歳。中学二年生。
学校では、「よんい」と呼ばれている。名字をそのまま音読みしただけの簡単なあだ名。クラスでも、それ程目立つ存在ではない。勉強も、ビリから数えた方が早いくらいだ。
何かのTV番組が始まったが、それには、目もむけずに、まだ天井の一点を見つめている。
「・・・・はぁ」
2度目の深いため息をついた時、その静寂を破る声がした。
「しゅー!ご飯だよー!起きてるのー?」
母の声。
「はいはい・・・。」むくりと起き上がると、思い出したかのように、鞄から携帯電話を取りだした。
「メール 1件」
リビングに向かいながらメールを見る修平。しかし、次の瞬間・・・
「な・・・なんだこりゃ?」
文面を見た修平はその場に立ちすくんでしまった。
「おはぎは、あずかった。返して欲しければ、南口、あ、まちがった・・・(汗)サウスゲートパークまで来い。」
俺は、この時、この1本のメールが、これから始まる「死」のゲームの始まりに過ぎない事を、未だ知るよしもなかった。
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